自分でできる、塗り替えタイミングのチェック
外壁や屋根の塗膜が劣化した状態というのは、雨風や紫外線といった自然環境に対して無防備な状態と言えます。
そのまま放置すると、雨漏りの原因になったり建物自体の耐久性を大きく損なう結果にもなりかねません。
そのような深刻な事態を招かないためにも、適切なタイミングで塗り替えを行うことが非常に重要なのです。
適切なタイミングで塗り替えを行うためには、塗装の耐用年数を把握しておくことも大切ですが、劣化のサインを見逃さないようにしてください。
ここでは、「お住まいの外壁にこんな症状が起こっていれば塗り替えのサイン」という項目をご説明します。
●チョーキング
建物の外壁に指で触れた時に、白い粉状のものが手についたという経験はありませんか?
これは「チョーキング」と呼ばれる現状で、紫外線によって塗膜が分解され、粉状になってしまっている状態です。
常に紫外線にさらされている外壁や屋根には付き物の症状ですが、チョーキングが起こっている状態では塗料は本来の機能を果たしていません。
防水性や耐久性といった機能を果たしていない状態で放置すると、外壁や屋根そのものの劣化が進んでしまいます。
チョーキングは一般の方にもわかりやすい劣化のサインなので、お住まいにチョーキングが起こっていないかチェックしてみましょう。
●クラック
外壁や屋根にヒビ割れが起こっている状態を「クラック」と呼びます。
クラックは、地震の際の揺れや台風時の強風などの外的要因によって建物に繰り返し負荷がかかることで発生します。
クラックはそのまま放置してしまうと、その隙間から雨水が建物内部に侵入してしまうので雨漏りの原因となる恐れがあります。
目に見えるような大きさのクラックはもちろん、髪の毛ほどの細いクラック(ヘアクラック)も油断しないでください。
ヘアクラックの中に侵入した水分が寒暖による凍結・膨張を繰り返し、クラックを内側から拡大させる場合もあります。
建物への甚大なダメージを避けるためにも、早急な修繕・塗装による保護が必要です。
●塗膜剥がれ
塗装が剥がれている場合は、なるべく早めの塗り替えを検討するようにしましょう。
塗装剥がれは、下地の劣化や施工不良によって引き起こされます。
この状態を放置してしまうと、外的要因から外壁を保護することができず、外壁材の劣化速度が速くなってしまいます。
さらに、剥がれている箇所から雨水が建物内部へ直接侵入してしまうので、雨漏りに繋がります。
万が一、侵入した雨水が木部や鉄部を腐食させてしまう状態まで進んでしまうと、塗装だけでは対処できず大掛かりな修繕工事が必要となります。
高額な修繕費用を必要とさせないためにも、塗装剥がれを見つけた時点で早めに塗り替えを行うことが重要です。
●雨漏り
雨漏りが発生しているということは、すでに建物内部に大量の水が入り込んでいる状態です。
劣化のサインとしてもわかりやすく、且つ緊急を要する状態なので迅速た対応が必要です。
雨漏りは屋根材の不具合によって起こる場合も多いので、その場合は屋根修理業者の出番となります。
しかし、塗膜が劣化して防水性が失われ、そこから建物内部へ雨水が侵入したという事例も多くあります。
雨漏りの原因箇所の特定は専門業者でないと難しいので、専門家の診断を受け、塗り替えや屋根修理といった適切な処置をしてもらいましょう。
●外壁の汚れ(カビ・コケ・錆び)
外壁の汚れも塗り替えのサインである場合があります。
「外壁が汚れるのは当たり前じゃない?」と思われるかもしれません。
しかし、カビやコケ、錆びは水分が常時外壁に付着している状態でないと発生しないため、その箇所の塗膜が劣化し防水性が損なわれている状態が疑われます。
また、カビやコケはそれ自体が多くの水分を含んでいるため、外壁材の含水率が高まってしまい、劣化をさらに進める恐れがあります。
水分や湿気は外壁や屋根にとって天敵ですので、しっかりと洗浄を行った上で塗り替えをしてもらうようにしましょう。